畳のサイズ|1畳は何センチ?地域で異なる畳の種類とサイズを徹底解説!
畳の部屋にごろんと寝転んだ時の心地よさって、格別ですよね。
「起きて半畳、寝て一畳」という言葉があるように、畳は私たち日本人の暮らしの中に深く根付いてきました。
…そこでみなさんに質問です。
みなさんは、畳のサイズってご存知ですか?
今、ドキッとした方も多いのではないでしょうか?笑
「日本人だからそんなの簡単だよ!」
「なんとなくは、わかる」
「今までそんなこと考えたこともない…」
などなど、いろんなご意見があるかと思います。
畳の大きさって、普段あまり考ないことですので、よくわからなのも当然です。
さらに、6畳のお部屋の大きさは?とかを聞かれてると、もう本当にお手上げ状態だと思います。
ここでは、そんな畳のサイズや、お部屋の広さなどに関する情報を、畳のプロがわかりやすく解説していきます。
畳の張替えや、お部屋のリフォーム、夢のマイホームをご検討の方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
1畳のサイズと呼び方(縦横比)1畳/半畳
それでは早速、畳のサイズと呼び方について解説していきます。
まずは、畳1畳の大きさですが、一般的には「約90×180cm」くらいで、縦横の比率が2:1になっています。また、1畳を半分にした「約90×90cm」の半畳というサイズもあります。
ただしこれは、あくまでもおおよそのサイズの目安であり、実はそのサイズは地域や時代で異なっています。ひとことで1畳と言っても。京間や江戸間、中京間など、私たちが普段あまり使わない名前で呼ばれています。
ここではそのサイズ、呼び方、広さなどを解説していきます。
≪1畳のサイズ一覧表≫
名称 | サイズ | 面積(㎡) | エリア/メモ |
---|---|---|---|
京間(きょうま) | 95.5×191cm | 約1.82㎡ | 近畿地方、中国地方、九州地方 |
中京間(ちゅうきょうま) | 91×182cm | 約1.66㎡ | 東海地方 |
江戸間(えどま) | 88×176cm | 約1.55㎡ | 関東地方、現在一番主流のサイズ |
団地間(だんちま) | 85×170cm | 約1.45㎡ | 集合住宅でよく使われるサイズ |
表1:畳の種別とサイズ
1畳の大きさは、京間>中京間>江戸間>団地間の順で大きさに違いがあります。
畳のサイズや呼び名は、時代とともに変化してきました。
ここからは、その変化と特徴について詳しくみていきたいと思います。
京間(きょうま)95.5×191cm
日本の住宅において、畳が本格的に使われはじめたのは、室町時代くらいからだといわれています。(1400年頃)
それまでの住宅は、時代劇などを見てもわかるように、板の間が主流でした。当時、畳は寝る時に使うベッドのような用途で使われていました。
しだいに、硬い板の間にクッション性のある畳を部敷くことが武士や貴族たちのあいだで流行しはじめました。
部分的に畳を使う、今でいう「置き畳」のような使い方が畳のはじまりでした。
畳は、身分や位の高い人が使う、特別な存在だったようです。
その時に使われるようになった畳が、京間だといわれています。
京間は、本間(ほんま)や関西間(かんさいま)とも呼ばれるサイズです。
中京間(ちゅうきょうま)91×182cm
江戸時代になると、畳を使うことが一部の裕福な町人の中でも広がりはじめました。(1600年頃)
ただし、武士や貴族などと同じ大きさの畳を使うのを避け、京間よりもすこし小さい畳(約9割程)を使うようになりました。それが、中京間のはじまりだといわれています。
中京間は、三六間(さぶろくま)とも呼ばれるサイズです。
江戸間(えどま) 88×176cm
江戸時代も中期になると、畳を使う文化は関東圏にまで広がり、さらには一般庶民も畳を使うようになったといわれています。
しかし、庶民の住宅には京間のような大きな畳は合わなかったことから、その広さに合わせて京間よりも小さい畳(約8割程)を使うようになりました。そうして、現在の江戸間が生まれたのです。
江戸間は、五八間(ごはちま)や関東間(かんとうま)とも呼ばれるサイズです。
団地間(だんちま) 85×170cm
一番新しくできたものが団地間になります。
高度経済成長期の真っ只中、地方から都市部に多くの労働者が移り住むことに合わせて、団地と呼ばれる集合住宅が建設されました。(1960年頃)
当時、先進的な住宅設備を備えた団地は、モダンな生活を夢見る家族にとって、憧れの住まいでした。
そこで使われたのが、団地間です。
広さの比較
ここでは、畳のサイズ別のお部屋のサイズでの比較をしていきたいと思います。
1畳の畳の大きさは京間>中京間>江戸間>団地間の順で大きさが違います。
1畳の大きさを比較すると、たった数センチの違いですが、6畳の広さになると、実は大きな差になってきます。
下記にお部屋のサイズ一覧表を作成しますので、それぞれどのくらいの広さなのかを確認するのに役立てて下さい。
単位:cm
団地間 | 江戸間 | 中京間 | 本間 | |
---|---|---|---|---|
1畳 | 85×170 | 88×176 | 91×182 | 95.5×191 |
2畳 | 170×170 | 176×176 | 182×182 | 191×191 |
3畳 | 170×255 | 176×264 | 182×273 | 191×286 |
4畳 | 170×340 | 176×352 | 182×364 | 191×382 |
4.5畳 | 255×255 | 264×264 | 273×273 | 286×286 |
6畳 | 255×340 | 264×352 | 273×364 | 286×382 |
8畳 | 340×340 | 352×352 | 364×364 | 382×382 |
10畳 | 340×425 | 352×440 | 364×455 | 382×477 |
表2:畳の種類別 各畳サイズ
単位:㎡
団地間 | 江戸間 | 中京間 | 本間 | |
---|---|---|---|---|
1畳 | 1.45 | 1.55 | 1.66 | 1.82 |
2畳 | 2.89 | 3.10 | 3.31 | 3.65 |
3畳 | 4.34 | 4.65 | 4.97 | 5.47 |
4畳 | 5.78 | 6.20 | 6.62 | 7.30 |
4.5畳 | 6.50 | 6.97 | 7.45 | 8.21 |
6畳 | 8.67 | 9.29 | 9.94 | 10.94 |
8畳 | 11.56 | 12.39 | 13.25 | 14.59 |
10畳 | 14.45 | 15.49 | 16.56 | 18.24 |
表3:畳の種類別 各畳面積
畳の厚み
みなさん、畳の厚みってご存知でしょうか?
畳は床に埋まっているものなので、そんな厚みなど考えたこともない方がほとんどだと思います。
実は、畳の厚さは55㎜、60㎜とかなりの厚みがあります。
しかも、JIS規格(日本工業規格)でしっかりと定められています。だから、いろんな部材のある新築住宅の現場でも、すき間や段差のない空間が出来上がるのです。
近年では、住宅環境やライフスタイルの変化、バリアフリーへの対応などにより、15㎜や30㎜の厚みの「薄畳(うすだたみ)」も増えてきました。
本畳(55㎜/60㎜)
一般的に畳の厚みは、京間1寸8分(55㎜)、江戸間2寸(60mm)と決まっています。
その経緯は諸説あるのですが、奈良時代には筵(むしろ)を数枚重ねたものにゴザをのせただけのものから平安時代には高貴な人が座る特別な場所として稲わらを使って厚みを持たせるようになりました。それが「藁床(わらどこ)」を使った畳のはじまりです。
その後、時代が進むにつれて、部屋全体に敷き詰めるようになりました。
その際、ある程度の厚みがあったほうが耐久性が向上し、また畳同士を隙間なく敷き詰めやすいことから、次第に厚みが1寸8分~2寸に集約されいったと考えられます。
近年、稲わらが入手しずらくなり、またわら床自体が非常に重かったため、わらに代わりに木の繊維を固めたインシュレーションボードやポリスチレンフォームを組み合わせて55mm~60mmに加工した「建材床」と呼ばれるものが主流になっており、JIS規格(日本工業規格)にもそのように規定されています。
わら床も建材床もともに厚みがあることで断熱性、防音性、耐久性に富み、畳を敷くことの効果を高めていることが明らかになっています。
薄畳(30㎜以下)
2000年代に入り、高齢化が進むとともに住宅にバリアフリーの概念が入ってきました。
家の床全体を段差無くフラットにして、つまづきなどを予防する仕様として広く取り入れられるようになりました。それに伴い、畳の厚みはフローリング材と同じ13㎜~15㎜で作ることが求められるようになりました。
これまでの住宅では畳を入れる場合、畳の厚みを考慮して大工さんが床を6cmほど下げる工事が必要でした。しかしバリアフリー化して畳がフリーリング材と同じ厚みにできれば、床を下げる工事が不要となり工務店にとってコストダウンできるというメリットもでてきました。
一方、畳を薄くした場合のデメリットもあります。床(とこ)が薄い(約10㎜程度)ため、敷いた後に住宅環境などで畳が反ることがあります。これを防止するために畳屋さんは畳床に反りにくい素材を使用します。しかし、これが非常に硬い素材のため、畳本来の柔らかな足触りが無くなってしまいます。またその材料は、厚い床と比較して高価なため厚みは薄いのですが厚い畳より価格が高くなります。
畳のサイズの測り方
それでは実際に自宅の畳がどのサイズなのかを測っていきたいと思います。
今回は6畳のお部屋の畳のサイズを計測していきます。
実は畳は、全て同じ大きさに見えますが、実際はお部屋に合わせて作っているため、すべて微妙にサイズが違うオーダーメイドなのです。
コツさえつかめば簡単ですので、これから解説していきます。
準備するもの
①市販のメジャー(2m程度測れるものであればOK)
②ハガキくらいの固い紙(10cm以上のものであればOK)
①測る畳を決める
畳は同じに見えて微妙にサイズが違うので、2枚の畳を測ります。6畳のお部屋をみてみると、畳の配置がこのようになっていると思います。そのうち、畳の向きが異なる2枚を測ります。
②畳のサイズを測る
縦のサイズの測り方
準備して頂いたメジャーで縦の長さを測ります。
畳の真ん中部分を端から端まで正確に測って下さい。
横のサイズの測り方
縦と同じように、真ん中部分をヘリの外側の端から端までを正確に測って下さい。
※1枚目:縦○○×横○○cm
※2枚目:縦○○×横○○cm
通常は、約90×180cmくらいになりますが、お部屋によってサイズは異なる場合があります。
③厚みを測る
⑴ハガキ大の固い紙を、畳と畳の間に差し込んで下さい。
⑵ペンで印をつけてください。それが厚みになります。
⑶端から線までの長さを測ってください。
通常は55㎜から60㎜くらですが、まれに30㎜の薄畳の場合もあります。
まとめ
ここまで、畳のサイズや厚みについて解説してきました。
ひとことで「6畳」と言っても、その大きさは実にさまざま。
大きさや厚みが変わると、そこにかかる費用も変わっていきます。
自宅の畳のサイズや厚みを正確に知ることが、畳替えや和室のリフォームを考える時の第一歩になります。
何かご不明な点などございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
★『畳の張替え』に関する詳しい内容は、こちら。