Q
「ひのみどり」一筋のこだわり
育てている品種は「ひのみどり」です。
他の品種と比べて管理が難しく、特に苗づくりの段階から繊細な対応が求められると言われています。
それでも自分は、迷わずこの品種を選んできました。
「自分は、ひのみどりしか育てきらんです。」
50年という長い年月の中で、体で覚えてきた感覚があります。
長く向き合ってきたからこそ、その特長や扱い方も分かる。
そうやって、自分なりのい草づくりを積み重ねてきました。
Q
自分のペースで向き合える仕事
い草農家の仕事は、決して楽なものではありません。
田んぼに氷が張るような寒い冬の11~12月に植え付けを行い、真夏の炎天下となる7月に刈り取りを迎行います。
い草は、苗から育てるのに約1年。
刈り取り、乾燥を経て、専用の織機で織り込まれ、ようやく畳表になります。
苗から畳表になるまで、およそ2年の歳月が必要です。
そんな大変ない草農家のお仕事を、この道50年続けてこられた笹原さん。
それでも、こんなふうに笑って話されます。
「野菜は毎日せなんけん大変たい。い草は、自分のペースでできるけん良か。」
天候を見ながら、その時々に合わせて管理していく。
焦らず、無理をせず、日々の積み重ねを大切にする。
そうした仕事のリズムも、この仕事を長く続けてこられている理由のひとつだと思います。
Q
覚悟と行動力
敷地内にある大きな倉庫は、約30年前に自分で建てました。
また、資材の管理や作業環境を整えることにも力を入れてきました。
さらに、ぶどうやシャインマスカット、さくらんぼの栽培にも挑戦しています。
い草だけにとどまらず、できることに挑戦し続ける。
そうした積み重ねが、今の仕事につながっていると感じています。
Q
天候と向き合い続ける栽培管理
同じ管理になった年は一つもありません。
天候や気温は毎年違いますし、その年ごとにい草の状態も変わります。
だからこそ毎日畑を見て、管理の方法も変えています。
―――何年分も重なった管理表を指さしながら、
「同じ管理になる年はない」と教えてくださいました。
天候や気温の変化を見極めながら、その年に最適な方法を選択していく。
自然と向き合う仕事の奥深さを感じた瞬間でした。
現在は3代目の一好さんが中心となり、奥様、そして4代目となる大奨(だいすけ)さんと3人で日々い草づくりに取り組まれています。
お父様の一好さんはこの道50年。長年培ってきた経験と感覚をもとに、今も第一線で畑に立ち続けておられます。
大奨さんも就農して15年。親子で支え合いながら、受け継がれてきた技術と想いを次の世代へとつないでいます。
■畳表
五八麻綿(1~4番草)
■主な受賞歴
平成10年 熊本県知事賞
平成17年 農林水産生産局長賞