転勤や引っ越しで地域が変わる際、「前の家で使っていた家具やカーペットが新しい和室に合わない」というトラブルが起こることがあります。実は、畳のサイズは都道府県や地域によって大きく異なります。

この記事では、全国の畳サイズを都道府県別にまとめた一覧表と、引っ越し前に確認すべきポイントを詳しく解説します。畳のサイズの基本については畳のサイズ完全ガイド|地域別の違いと選び方のポイントで詳しく解説していますが、この記事では地域別の詳細と引っ越し時の注意点に特化して解説します。

全国の畳サイズ規格4種類|基本を押さえよう

日本の畳には4つの主要規格があります。各規格の詳細は畳のサイズ完全ガイドを参照してください。

規格名 サイズ(縦×横) 1畳の面積 主な使用地域
京間(本間・関西間) 95.5cm×191cm 1.82㎡ 関西、中国・四国
中京間(三六間) 91cm×182cm 1.66㎡ 愛知、岐阜
江戸間(五八間) 88cm×176cm 1.55㎡ 関東、東北、北海道、九州
団地間(公団サイズ) 85cm×170cm 1.45㎡ 全国の集合住宅

最も大きい京間と最も小さい団地間では、1畳あたり約0.37㎡の差があります。

都道府県別畳サイズ一覧表|あなたの地域はどの規格?

ここでは、全国47都道府県の畳サイズを地方別にまとめました。引っ越し前に現在地と引っ越し先の規格を確認しておきましょう。

北海道・東北地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
北海道 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い
青森県 江戸間 1.55㎡
岩手県 江戸間、中京間 1.55〜1.66㎡ 地域により混在
宮城県 江戸間 1.55㎡
秋田県 江戸間 1.55㎡
山形県 江戸間、中京間 1.55〜1.66㎡ 地域により混在
福島県 江戸間、中京間 1.55〜1.66㎡ 地域により混在

関東地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
茨城県 江戸間 1.55㎡
栃木県 江戸間 1.55㎡
群馬県 江戸間 1.55㎡
埼玉県 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い
千葉県 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い
東京都 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い
神奈川県 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い

中部地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
新潟県 江戸間 1.55㎡
富山県 江戸間 1.55㎡
石川県 江戸間 1.55㎡
福井県 江戸間 1.55㎡
山梨県 江戸間 1.55㎡
長野県 江戸間 1.55㎡
岐阜県 中京間 1.66㎡ 東海地方の中心
静岡県 江戸間 1.55㎡ 一部中京間
愛知県 中京間 1.66㎡ 東海地方の中心

近畿地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
三重県 京間、中京間 1.66〜1.82㎡ 地域により混在
滋賀県 京間 1.82㎡
京都府 京間 1.82㎡ 京間発祥の地
大阪府 京間 1.82㎡ 団地間も多い
兵庫県 京間 1.82㎡ 団地間も多い
奈良県 京間 1.82㎡
和歌山県 京間 1.82㎡

中国地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
鳥取県 京間 1.82㎡
島根県 京間 1.82㎡
岡山県 京間 1.82㎡
広島県 京間 1.82㎡
山口県 京間 1.82㎡

四国地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
徳島県 京間 1.82㎡
香川県 京間 1.82㎡
愛媛県 京間 1.82㎡
高知県 京間 1.82㎡

九州・沖縄地方の畳サイズ

都道府県 主要規格 1畳の面積(㎡) 備考
福岡県 江戸間 1.55㎡ 団地間も多い
佐賀県 江戸間 1.55㎡
長崎県 江戸間 1.55㎡
熊本県 江戸間 1.55㎡
大分県 江戸間 1.55㎡
宮崎県 江戸間 1.55㎡
鹿児島県 江戸間 1.55㎡
沖縄県 江戸間 1.55㎡ 琉球畳は別規格

注意: 同じ都道府県内でも地域や建物の種類により規格が異なる場合があります。

自宅の畳サイズを確認する3つの方法

方法1: メジャーで実測する

畳1枚の縦と横をメジャーで測定し、一覧表と照らし合わせます。縦が約191cmなら京間、約176cmなら江戸間です。

方法2: 不動産会社・大家さんに問い合わせる

賃貸物件の場合、「畳の規格は何ですか?」「1畳あたりのサイズを教えてください」と問い合わせることができます。

方法3: 建築図面から確認する

持ち家の場合、建築図面の「畳割り図」や「平面図」に記載されている畳のサイズ(「910×1820」など)を確認してください。

引っ越し先の畳サイズを事前に確認する手順

内見時のチェックポイント

メジャーを持参し、畳1枚のサイズを実測しましょう。写真を撮影し、持ち込む家具のサイズと照らし合わせて配置をシミュレーションします。

不動産会社への確認項目

畳の規格(京間、江戸間など)、1畳あたりのサイズ、建築図面の閲覧可否を確認してください。

契約前確認の重要性

畳のサイズ違いは契約後に変更できません。地域間移動では家具やカーペットが使えなくなり、買い替え費用が発生する可能性があるため、契約前の確認が重要です。

地域間移動で起こる「畳サイズ問題」の実例と対策

よくあるトラブル事例

事例1: 関西から関東への引っ越し(京間→江戸間)

京間6畳(約10.92㎡)から江戸間6畳(約9.30㎡)への移動で、部屋が約1.62㎡(約0.9畳分)小さくなり、大型家具が収まらず処分が必要になったケースがあります。

事例2: 一戸建てからマンションへの引っ越し(京間→団地間)

京間8畳(約14.56㎡)から団地間8畳(約11.60㎡)への移動で、部屋が約2.96㎡(約1.6畳分)小さくなり、カーペットが部屋からはみ出して買い替えが必要になりました。

家具・カーペットが合わない場合の対処法

引っ越し前の対策:

  • 新居に合わない大型家具は引っ越し前に処分・売却
  • 主要な家具のサイズを測定し、新居の図面で配置をシミュレーション
  • カーペット・ラグは引っ越し後に新居のサイズに合わせて購入

引っ越し後の対処:

  • 家具のレイアウトを変更し、動線を確保
  • 小さめのラグを複数組み合わせる
  • 不要な家具はリサイクルショップやフリマアプリで売却

まとめ

畳のサイズは全国で4つの主要規格があり、都道府県や地域によって使用される規格が異なります。引っ越しで地域が変わる場合、畳のサイズ違いで家具やカーペットが合わなくなることがあります。

重要なポイント:

  • 全国の畳サイズは京間、中京間、江戸間、団地間の主要4規格
  • 都道府県別の主要規格を事前に確認する
  • 引っ越し前に現在と引っ越し先の畳サイズを必ず確認する
  • 地域間移動では家具配置をシミュレーションし、事前対策を行う

よくある質問(FAQ)

Q1: 自分の家の畳がどの規格か簡単に確認する方法は?

A: 最も簡単な方法は、畳1枚のサイズをメジャーで測ることです。横幅が約95.5cmなら京間、約91cmなら中京間、約88cmなら江戸間、約85cmなら団地間です。賃貸の場合は、不動産会社や大家さんに問い合わせることもできます。

Q2: 引っ越し先の畳サイズは契約前に確認できますか?

A: はい、確認できます。内見時にメジャーで実測するか、不動産会社に畳の規格やサイズを問い合わせてください。建築図面で確認することも可能です。契約後に気づいても変更できないため、必ず契約前に確認しましょう。

Q3: 京間から江戸間に引っ越す場合、どのくらい部屋が狭くなりますか?

A: 6畳の場合、京間(約10.92㎡)から江戸間(約9.30㎡)への移動で約1.62㎡(約0.9畳分)狭くなります。8畳の場合は約2.16㎡(約1.2畳分)の差が生じます。大型家具が入らなくなる可能性があるため、事前に家具のサイズと新居の広さを確認しましょう。

Q4: 同じ都道府県内でも畳サイズが違うことはありますか?

A: はい、あります。地域や建物の種類によって規格が異なり、特に一戸建ては京間や江戸間、集合住宅は団地間が使われることが多いです。必ず実測または確認することをおすすめします。

Q5: 賃貸物件で畳サイズを変更することはできますか?

A: 一般的には難しいです。畳サイズの変更は建物の構造に関わるため、賃貸では原状回復義務があり認められないことがほとんどです。畳の表替えや新調は可能な場合もあります。