「畳を新しくしたいけど、サイズはどうやって測ればいいの?」「自分で測った数値をそのまま畳店に伝えて大丈夫?」と不安に思っていませんか。畳は一枚一枚サイズが異なるオーダーメイド品です。測り方を間違えると、畳が部屋に入らなかったり、隙間ができてしまったりするトラブルにつながります。この記事では、初めての方でも失敗しない畳サイズの測り方を5つのステップで解説します。必要な道具の選び方から、畳店への正しい伝え方、注文時に確認すべきポイントまで、具体的にご紹介します。

まず知っておきたい|畳のサイズは一枚一枚違う

畳の測り方を説明する前に、ひとつ大切なことをお伝えします。畳は工業製品のように規格サイズで統一されているわけではありません。同じ部屋に敷かれている畳でも、一枚一枚微妙にサイズが異なります。

なぜ畳のサイズは一枚ずつ違うのか

理由は、建物そのものに微妙な誤差があるからです。どんなに腕の良い大工さんが施工しても、柱や壁が完全に垂直・平行になることはありません。木材は天然素材のため、温度や湿度によってわずかに伸縮します。また、建物は年月とともに少しずつゆがんでいきます。

畳職人は、こうした部屋ごとの微妙な違いに合わせて一枚一枚の寸法を調整します。だからこそ、畳を注文する際には正確な採寸が欠かせないのです。

5つの畳サイズ規格を確認しよう

日本には地域によって異なる5つの畳サイズ規格があります。まずは自宅の畳がどの規格に近いかを把握しておくと、採寸や注文がスムーズになります。

規格名別名1畳のサイズ(縦×横)主な使用地域
京間本間・関西間191cm × 95.5cm関西、中国・四国の一部
六一間広島間185cm × 92.5cm広島、岡山
中京間三六間182cm × 91cm東海、東北の一部
江戸間五八間・関東間176cm × 88cm関東、東北、北海道、九州
団地間公団サイズ170cm × 85cm全国の集合住宅

最も大きい京間と最も小さい団地間では、1畳あたり縦で21cm、横で10.5cmもの差があります。6畳間に換算すると、京間は10.94平米、団地間は8.67平米と、約2.3平米——畳1枚分以上もの差が生じます。

ポイント: 規格サイズはあくまで「目安」です。実際の畳は部屋に合わせて作られているため、規格サイズぴったりではありません。採寸では規格を参考にしつつ、必ず実測値を基準にしてください。

畳のサイズ規格について詳しく知りたい方は、「畳のサイズ完全ガイド|地域別の違いと選び方のポイント」もあわせてご覧ください。

畳サイズを測るときに必要な道具

正確な採寸には、適切な道具を用意することが大切です。ここでは、必要な道具と選び方のポイントをご紹介します。

必須の道具

1. メジャー(コンベックス)

畳のサイズ測定に最も適しているのは、金属製のテープが入ったコンベックス(巻き尺)です。布製のメジャーはたるみやすく、正確な測定が難しいため避けましょう。

選び方のポイントは以下のとおりです。

  • 長さ: 5m以上のもの(部屋の対角線も測れる長さ)
  • 幅: 19mm以上の幅広タイプ(たわみにくく一人でも測りやすい)
  • 目盛り: mm(ミリメートル)単位まで読み取れるもの

ホームセンターで500〜2,000円程度で購入できます。

2. 筆記用具とメモ用紙

測定値はその場で必ず記録してください。「あとで覚えている」と思っても、複数箇所を測定するうちに混乱しやすくなります。方眼紙やノートに部屋の略図を描き、各測定箇所の数値を書き込むと整理しやすくなります。

あると便利な道具

道具用途価格の目安
レーザー距離計一人で素早く正確に測定できる3,000〜10,000円
直角定規(さしがね)部屋のコーナーが直角かどうか確認する500〜1,500円
マスキングテープ測定の起点を壁に印づけする100〜300円
スマートフォン測定結果の写真記録・計算用–

レーザー距離計は壁に向けてボタンを押すだけで距離が測れる道具です。一人でも正確に測定でき、特に長い距離の測定に便利です。DIY用途であれば、3,000〜5,000円程度のもので十分活躍します。ただし、ガラスや鏡面には使用できないため、コンベックスとの併用がおすすめです。

畳サイズの正確な測り方|5つのステップ

ここからが本題です。畳のサイズを正確に測るための手順を、5つのステップでご説明します。

ステップ1|部屋の家具を移動する

まず、和室の中にある家具や荷物をできるだけ移動させてください。畳の端が壁際まで見える状態にすることが理想です。

  • タンスや本棚などの大型家具は、測定箇所から離れた位置へ移動する
  • 畳の上に敷いているカーペットやラグは取り除く
  • 部屋の四隅が見える状態にする

重要: 家具の下に隠れている部分の畳にも、寸法の違いがあります。可能な限り畳の全面が見える状態にしてから測定を始めてください。

ステップ2|部屋全体のサイズを測る

部屋の縦・横のサイズを測定します。ここで最も大切なのは、縦・横それぞれ最低3箇所ずつ測ることです。

測定のやり方

部屋の横幅(短辺)を測る場合を例にします。

  1. 壁際(奥側): 部屋の奥の壁に沿って、左の壁から右の壁までの距離を測る
  2. 中央: 部屋の中央あたりで、左の壁から右の壁までの距離を測る
  3. 壁際(手前側): 部屋の手前の壁に沿って、左の壁から右の壁までの距離を測る

同じように、部屋の縦幅(長辺)も3箇所測ります。

測定結果の記録例

【横幅の測定結果】
  奥側:   2,640mm
  中央:   2,638mm
  手前側: 2,641mm
  → 採用値: 2,638mm(最小値)

【縦幅の測定結果】
  左側:   3,640mm
  中央:   3,637mm
  右側:   3,640mm
  → 採用値: 3,637mm(最小値)

最重要ルール: 3箇所の測定値のうち、一番小さい数値を採用してください。部屋のサイズより畳が大きいと、畳が入らないという取り返しのつかない事態になります。逆に、わずかに小さい分には畳職人が調整できます。

ステップ3|畳一枚ずつのサイズを確認する

部屋全体のサイズを測ったら、次は個々の畳のサイズを確認します。特に表替えや裏返しではなく新調(畳を丸ごと作り直す)を検討している場合に重要なステップです。

確認する項目

  • 畳の長辺と短辺の長さ(mm単位)
  • 畳の厚み(一般的には40〜60mm程度)
  • 畳と壁の間に隙間がないか
  • 畳がガタつく箇所はないか

畳の厚みは、畳を少し持ち上げて端の部分で測ります。厚みが均一でない場合は、複数箇所で測定して最も薄い箇所と最も厚い箇所の両方を記録してください。

ステップ4|部屋の形状を確認する

部屋が完全な長方形であることはほとんどありません。以下の項目を確認し、記録しておきましょう。

チェックポイント

  • 四隅の直角確認: 直角定規(さしがね)を部屋の四隅に当てて、直角になっているか確認する
  • 柱の出っ張り: 壁から柱が出ている箇所がないか確認する。出っ張りがある場合は、出っ張りの幅と高さを測定する
  • 壁のふくらみ・反り: 壁面に沿ってメジャーやまっすぐな棒を当て、壁が直線かどうか確認する
  • 敷居・鴨居の状態: 敷居(下側のレール)の高さや傾き、鴨居(上側のレール)の状態も確認する

部屋の形状に問題がある場合

柱の出っ張りや壁の反りがある場合は、その箇所の寸法を詳しく記録してください。略図に書き込んでおくと、畳店への説明がスムーズになります。こうした変形への対応は畳職人の腕の見せどころですが、正確な情報があるほど精度の高い畳が仕上がります。

ステップ5|すべての測定値を略図に記入する

最後に、測定した数値をすべて一枚の略図にまとめます。これが畳店に渡す「注文の設計図」になります。

略図に記入する項目

  1. 部屋全体の縦・横のサイズ(3箇所ずつの測定値と採用値)
  2. 各畳の位置と番号(「1番」「2番」のように仮番号をつける)
  3. 柱の出っ張りや壁の変形がある箇所の寸法
  4. 畳の厚み
  5. 部屋の入口(ドアや襖)の位置
  6. 現在の畳の向き(畳目の方向)

便利なコツ: スマートフォンで略図を写真に撮っておくと、畳店への連絡時にメールやLINEで共有できて便利です。また、部屋全体の写真と、柱の出っ張りなど特殊な箇所のアップ写真も撮影しておきましょう。

畳サイズの測定でよくあるミスと対策

畳のサイズ測定でよくある失敗パターンと、その対策をまとめました。事前に知っておくことで、トラブルを未然に防げます。

ミス1|1箇所しか測らない

失敗例: 部屋の横幅を1箇所だけ測り、その値で注文してしまった。実際には部屋の別の位置では2mm短かったため、畳が入らなかった。

対策: 縦・横とも必ず3箇所以上測定し、最小値を採用する。

ミス2|cm単位で測ってしまう

失敗例: 「176cm」のように大まかに測定してしまった。実際には1,758mmだったが、176cmとして注文したため隙間ができた。

対策: 必ずmm(ミリメートル)単位で測定する。「1,758mm」のように記録する。畳は1mm単位で仕上げるため、この精度が必要です。

ミス3|畳の上から測ってしまう

失敗例: 畳を敷いた状態で、畳の端から端を測った。畳と壁の間に隙間があったため、実際の壁間距離と合わなかった。

対策: 部屋のサイズは壁から壁(内壁の面から対面の内壁の面まで)で測る。可能であれば、畳を1枚持ち上げて壁際の状態を確認する。

ミス4|厚みを測り忘れる

失敗例: 縦横のサイズは正確に測ったが、畳の厚みを確認し忘れた。新調した畳の厚みが元の畳より薄く、敷居との段差ができてしまった。

対策: 畳の厚みは端を持ち上げて複数箇所で測定する。一般的な和室の畳は55〜60mmが多いが、マンションなどでは15〜40mmの薄畳が使われていることもある。

ミス5|扉や襖との干渉を確認しない

失敗例: 部屋の入口付近の畳を新調したところ、厚みがわずかに変わり、襖の開閉がスムーズにできなくなった。

対策: 部屋の入口付近では、敷居の高さと畳表面の高さの関係を確認しておく。扉や襖が畳の上を通る場合は、扉の下端と畳表面の隙間も測定しておく。

測定に自信がないときは

すべてを自分で完璧に測る必要はありません。畳店に依頼すれば、プロの畳職人が無料で採寸に来てくれるのが一般的です。採寸料金は畳の価格に含まれていることがほとんどなので、追加費用もかかりません。

自分で測定するのが不安な方は、まず大まかなサイズを把握したうえで畳店に相談し、正式な採寸をプロに任せるのが確実です。畳店の探し方や相談の流れについては、「畳店での相談から完成まで」で詳しく解説しています。

畳店への伝え方|失敗しない注文のコツ

正確に測定できたら、次は畳店への注文です。伝え方ひとつでトラブルを防げるため、以下のポイントを押さえておきましょう。

畳店に伝えるべき情報一覧

畳店に連絡する際には、以下の情報を準備しておくとスムーズです。

伝える項目具体的な内容例
依頼内容表替え・裏返し・新調のいずれか「表替えをお願いしたい」
部屋の広さ畳の枚数「6畳の和室です」
畳の規格京間・江戸間など(わかる範囲で)「たぶん江戸間だと思います」
測定値部屋の縦×横の実測値「横2,638mm × 縦3,637mmです」
畳の厚み現在の畳の厚み「約55mmでした」
特殊な箇所柱の出っ張りや変形した箇所「北東の角に柱が5cm出ています」
現在の状態畳の傷み具合や気になる点「2枚ほど踏むとへこむ箇所がある」
希望素材やグレードの希望があれば「国産い草を希望します」

伝え方のコツ

1. 測定値はmm単位で伝える

「約176cm」ではなく「1,758mm」のように、mm単位で正確に伝えましょう。畳職人は1mm単位で仕上げるため、曖昧な数値は仕上がりに影響します。

2. 略図を渡す(または写真を送る)

測定値を書き込んだ略図は、口頭の説明よりも正確に情報が伝わります。電話での問い合わせの場合でも、メールやLINEで略図の写真を送れるか確認してみましょう。

3.「わからない」と正直に伝える

畳の規格がわからない、厚みの測定に自信がないなど、不確かなことは正直に伝えてください。畳店のプロはそうした状況に慣れています。「自分で測ったのですが、不安なので採寸に来ていただけますか?」と伝えれば、快く対応してくれるはずです。

4. 見積もりは複数の畳店から取る

可能であれば、2〜3店舗から見積もりを取ることをおすすめします。価格だけでなく、対応の丁寧さ、説明のわかりやすさ、採寸時の様子なども比較材料になります。畳交換の全体的な流れについては、「畳交換の流れ|依頼から完成まで」も参考にしてください。

採寸をプロに任せるメリット

畳店に採寸を依頼すると、自分では気づかない問題点も発見してもらえます。

  • 部屋のゆがみの程度を正確に把握できる
  • 畳床(土台部分)の状態を確認し、新調か表替えかの適切な判断ができる
  • 1枚ごとに四隅と辺を測るプロの精度が得られる
  • 敷居や柱との取り合いも考慮した仕上がりが期待できる

プロの畳職人は、部屋全体の寸法だけでなく、畳1枚ごとに四隅の角度と各辺の長さを測ります。部屋の変形が大きければ測る箇所はさらに増えます。こうした緻密な作業により、壁と畳の間に隙間なく、ぴったりと収まる畳が仕上がるのです。

オンライン注文する場合の注意点

近年は、インターネットで畳を注文できるサービスも増えています。オンライン注文では自分で採寸した値がそのまま製作に使われるため、測定の精度がより重要になります。

オンライン注文時のチェックリスト

  • 測定値は最小値を採用しているか
  • mm単位で正確に入力しているか
  • 実寸より1mm差し引いた値で注文しているか(製造誤差±0.5mmを考慮)
  • 畳の厚み・向き(畳目の方向)を指定しているか
  • 扉やクローゼットとの干渉を確認したか

注意: オーダーメイドの畳は、注文後の寸法変更やキャンセルが難しいのが一般的です。不安がある場合は、オンライン注文より地元の畳店への直接依頼をおすすめします。

地域ごとのサイズの違いが気になる方は、「地域別畳サイズ一覧表」で各地域の標準サイズを確認できます。また、5つの規格の成り立ちや選び方は「畳のサイズ完全ガイド|地域別の違いと選び方のポイント」で詳しく解説しています。

まとめ

この記事では、畳サイズの正確な測り方と、失敗しない注文のコツについて解説しました。

  1. 畳は一枚一枚サイズが異なる: 建物の微妙なゆがみに合わせて作られるため、規格サイズどおりではない
  2. 縦・横それぞれ3箇所以上測定する: 最も小さい値を採用することで、畳が入らないトラブルを防げる
  3. mm単位で測定・記録する: 畳職人は1mm単位で仕上げるため、「約176cm」ではなく「1,758mm」のように記録する
  4. 測定値は略図にまとめる: 部屋の形状、柱の出っ張り、畳の厚みなどを書き込んだ略図が「注文の設計図」になる
  5. 不安ならプロに採寸を依頼する: 畳店の採寸は無料の場合がほとんど。プロは畳1枚ごとに四隅と各辺を測り、精度の高い畳を仕上げる

畳の採寸は難しそうに見えますが、この記事の手順どおりに進めれば、初めての方でも正確に測定できます。それでも不安が残る場合は、まずお近くの畳店に相談してみてください。プロの職人が丁寧に対応してくれます。

よくある質問(FAQ)

Q1: 畳のサイズは自分で測らないとダメですか?

A: いいえ、必ずしも自分で測る必要はありません。畳店に依頼すれば、プロの職人が無料で採寸に来てくれるのが一般的です。ただし、事前に大まかなサイズを把握しておくと、電話やメールでの問い合わせ時に話がスムーズに進みます。見積もりの段階では自分の測定値を伝え、正式な注文前にプロの採寸を受けるという流れがおすすめです。

Q2: メジャーがないのですが、代わりになるものはありますか?

A: 正確な測定にはコンベックス(金属製メジャー)が最適です。布製の裁縫用メジャーはたるみやすく、誤差が出やすいため避けてください。コンベックスはホームセンターや100円ショップでも購入できます。スマートフォンの距離測定アプリもありますが、精度が安定しないため、畳の採寸には向いていません。500円程度のコンベックスを1本用意することをおすすめします。

Q3: 部屋の測定は一人でもできますか?

A: できます。コンベックスの先端を壁に引っかけて伸ばせば、一人でも測定可能です。ただし、距離が長い場合はテープがたわんで誤差が出やすいため、二人で行うとより正確です。一人で長い距離を測る場合は、レーザー距離計を使うと壁に向けてボタンを押すだけで正確に測定できるため便利です。

Q4: 畳の表替えの場合もサイズを測る必要がありますか?

A: 表替え(畳表の張り替え)の場合、畳床(土台部分)はそのまま使うため、基本的にお客様がサイズを測る必要はありません。畳店が畳を引き上げ、新しい畳表を張って元の位置に戻すため、寸法は既存の畳床がそのまま基準になります。ただし、畳床に凹みやきしみがある場合は新調が必要になる可能性があるため、その旨を畳店に伝えておきましょう。

Q5: 測定値と畳店の採寸値が違う場合はどうすればいいですか?

A: 畳店の採寸値を優先してください。プロの職人は、部屋のゆがみ、壁の反り、柱の出っ張りなど、素人では気づきにくい要素も考慮して採寸します。自分の測定値とプロの採寸値に大きな差がある場合は、その理由を職人に質問してみましょう。「ここの壁が少し膨らんでいるので、この部分は2mm短くしています」など、丁寧に説明してもらえるはずです。

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出典・参考情報

※採寸の手順(縦横3箇所以上を測り最小値を採用する、mm単位で記録する、製作誤差を見込んで差し引く)は、以下の各社の案内で共通して示されている方法です。

※最終的な寸法は畳店の採寸値が優先されます。自分の測定値は相談の材料としてお使いください。